【導入前の課題】自社開発WMSの限界。
ECのスピード感と多様性に対応するための第一歩
導入当初、どのような課題をお持ちでしたか?

柳沢氏:
当時の課題は、EC物流特有のスピード感と柔軟性でした。自社開発WMSは固定ロケーション管理しかできず、特にSKU(在庫管理単位)が非常に多いアパレル商材では保管効率が悪く、管理が限界に達していました。
また、新しい荷主様が増えるたびに、弊社側でWMSへのデータ取り込み作業が発生し人件費も時間もかかるなど、オンプレミスの制約も課題となっていました。こうした背景から、多様な顧客ニーズへの対応と旧システムの非効率な業務フロー改善に向けて、クラウド型のWMSへの移行を検討し始めました。
- 保管効率の悪さ:固定ロケーションのため、多SKU商材の管理が困難
- 手作業による工数増大:荷主が増えるごとにデータ取り込み作業が発生し、運用負荷が高い
- 柔軟性の欠如:EC特有の細かなニーズへの対応が難しい
【選定の決め手】柔軟性の高さと、オペレーションとの「相性」
WMSとして「AirLogi(現コマースロボのWMS機能)」を選ばれた決め手は何だったのでしょうか?
柳沢氏:
選定の必須条件は「フリーロケーション機能」「配送会社とのEDI連携」「一体型帳票の印刷」、そして「低コスト」であることでした。そんな中、Web広告でAirLogiを知り、問い合わせたのがきっかけです。
最終的な決め手は、「データ入出力の柔軟性の高さ」「ハンディアプリが高機能で先進的かつ高速に動作すること」と、圧倒的な「コスト感」でした。一般的なハンディターミナルの半額ほどでレンタルでき、荷主様の物量に応じて料金が変わる従量課金制も魅力的でした。
導入当時も十分に高機能だったのですが、その後もアップデートで次々と機能を追加していただき、現在では帳票の後出し機能やオートシップによる倉庫オペレーションの自動化、1-1バッチやSDバッチなどを活用し倉庫の生産性が更に向上しており、AirLogiを選んでよかったと思っています。
当時比較検討したWMSの中で、ユーザーインターフェースが直感的で優れていたことも重要なポイントだったことを付け加えておきます。
なぜ「コマースロボ」だったのか?
先進的な機能
高機能で高速に動作するスマホアプリにより、現場の生産性を向上
圧倒的なコストパフォーマンス
従量課金制により、高品質かつコスト優位な物流サービスを実現
データ入出力の柔軟性
上位システムや荷主によって異なるデータを加工する手間を低減
【進化の軌跡】AirLogiからコマースロボへ。武器は「究極の自動化」
当初はWMSとしての活用でしたが、現在は「コマースロボ」として、より広い領域でご活用いただいていますね。
柳沢氏:
はい。AirLogiで倉庫の効率化という課題は解決できましたが、その後リリースされたOMS機能を持つ「コマースロボ」の登場が、我々の戦略を大きく変えました。
以前はAirLogi単体もしくは「ネクストエンジンなどのOMS×AirLogi」といった組み合わせでご提案していましたが、今はコマースロボとAirLogiの一体型利用で受注管理から倉庫業務までを一気通貫で自動化する提案がメインです。我々が提唱する「究極の自動化」とは、単に作業をシステムに置き換えるだけではありません。荷主様が日常的にシステム画面を監視する必要すらない状態を目指しています。
AirLogiからコマースロボへの進化
例えば、弊社と貴社で共同開発した出荷に関する不備や保留が発生した時だけ担当者にメールで通知が飛ぶ機能を設定すれば、データに不備がなければ何もする必要がない。私たちはコマースロボのRPA機能を駆使して、そういった"何もしない時間"を最大化するための最適な設定を、全て代行して構築します。
それは素晴らしいですね。荷主様は運用をすべてお任せできると。
柳沢氏:
その通りです。お客様にはやりたいことをヒアリングし、最適な自動化の設計から設定まで、我々がすべて責任を持って行います。だからこそ、荷主様は本来のコア業務である商品開発やマーケティングに集中できるのです。このオペレーションコストの劇的な削減効果の価値は非常に大きいと確信しています。
コマースロボがもたらした進化
倉庫の自動化から完全自動化へ
WMS単体からOMS+WMSへ。提案領域が拡大
「おまかせ自動化」の実現
複雑なRPA設定もIMBSが全て代行。荷主は理想を伝えるだけ
コア業務への集中
例外発生時のみメールで通知。日常的な確認・監視業務をゼロに
「我々が提唱する『究極の自動化』とは、単に作業をシステムに置き換えるだけではありません。荷主様が日常的にシステム画面を監視する必要すらない状態を目指しています。」

IMBS様が実現する「究極の自動化」により効率化された物流オペレーション
【今後の展望】AI統合とサポート体制の進化。
ユーザーと共に創る未来の物流
今後の展望と、コマースロボへの期待をお聞かせください。
柳沢氏:
我々が目指すのは「これ以上の自動化は他社ではできない」というレベルまでオペレーションを突き詰めることです。そのためにコマースロボティクス社には安定稼働を維持しつつ、ユーザーの声を反映した高機能な開発を期待しています。例えば、「先着順でノベルティを同梱できる機能」のような、現場のニーズを的確に捉えた機能は非常に価値があります。
そしてもう一つは、サポート体制の進化です。ユーザーが増えればサポート業務も比例して増大してしまうと思いますが、AIなどを活用してサポート業務を効率化し、そこで生まれたリソースをシステムのさらなる改良に投下してほしい。
我々ユーザーが現場のリアルな課題や要望をフィードバックし、コマースロボティクス社がそれをシステムとして形にする。この良好な関係を続けながら、共に未来のEC物流を創っていけるパートナーであり続けてくれることを期待しています。
- 究極の自動化の追求:他社では実現できないレベルまでオペレーションを突き詰める
- ユーザー視点の機能開発:現場のニーズを的確に捉えた価値ある機能の継続開発
- AI活用によるサポート進化:効率化されたサポート体制で、さらなるシステム改良にリソース投下
- パートナーシップの深化:ユーザーとベンダーが共に未来のEC物流を創造